からだのつながり?
腰痛の患者さん(40代女性)が来られました。
「今朝、起きた時から痛くて、近くの整骨院でみてもらって少し楽になったけど、まだ痛くて、これから行ってもいいですか」という事でした。
腰痛は少しの動きにも支障をきたすので嫌ですよね。
まずは今回の腰痛の原因から考えてみました。
【腰痛の原因】
物を拾おうとしたときにグキッ!ときた
座っているだけで痛い。
イスから立ち上がる時に痛い。
立っていても腰が痛い。
何をしても痛いようです。
ではその原因は?
□ 長時間同じ姿勢
□ 事故などによる外傷性
□ 腰椎椎間板ヘルニア
□ 腰椎圧迫骨折
□ 腰椎すべり症
□ 精神的なもの
など
ざっと考えられるだけでも、腰痛症といわれている原因がでてきます。
来院された方の症状を聞くと、
数年前に整形外科でヘルニアだと言われたが、その後ずっと痛みはなかったが急に朝から痛くなった。とのことでした。
ヘルニアが原因であるのならば、24時間痛いはずですが、良い時があったという事は、それが原因ではなさそうです。
【施術の実際】
体の筋肉は全身筋膜で包み込まれています。
筋膜の一部が緊張すると体のバランスが崩れます。そのため、どこの筋・筋膜が影響を出しているのかを見極めることが大切です。
痛みがあると、その痛みから逃げるように体を動かします。
これを逃避反射といいます。
そして、痛みから逃れる動きを繰り返していると姿勢にも影響が出て、歪みや不良姿勢となってきます。
まずは、腰痛を起こしている原因がどこにあるのかを頭から足先、内臓の状態と全身をくまなく触診で見ていくと、首に大きな反応があり、本人にも確認すると違和感があることが分かりました。「腰なのに、首?」と思われるかもしれませんが、その方の首は、右側に向きにくく抵抗を感じました。
「首を痛めるような事をこれまで経験されましたか」とお聞きすると「いつも行っている整骨院で必ず最後に首をゴキッ!とされるんです。私は嫌なんですけど…言えなくて」とのことでした。
原因が見えてきました。
案の定、仰向けで軽く首に触れて右側に向けると腰に痛みが出るようです。
原因が特定できたところで、やさしくこの首から治療することで、腰を触らなくても腰痛が良くなり、大変驚いていました。
最後に、ご本人から整骨院では、もう首をゴキッ!としてもらうことはやめておきますと言われていました。
【まとめ】
体は、全身つながりがあります。
痛い所、気になっている所だけを見るのではなく、そこが悪くなってしまった原因はどこから来ているのかをちゃんと見定めることが大事だ!ということを教えてくれる「腰痛の症例」でした。
今回のように、首からからも知れないし、またある人は内臓環境からかもしれません。その原因を見極めて、施術を受けることがとても大切なポイントです。
これは腰痛だけでなく肩こりや五十肩、寝違いなどにも言えることです。
長年色々と試してきたけど、その時は良くなるけど、またすぐに元の状態に戻ってしまう。という方がおられましたら、違うところに原因があるのかもしれません。もしそのような悩みをお持ちの方がおられましたら、またいつでもおっしゃってください。
監修
こころはり灸治療院 院長 中間善也
はり師・きゅう師
臨床実習指導者
東洋医療専門学校非常勤講師
eクリニックスタッフ鍼灸師
日本拳法の推薦にて国士舘大学に進学。練習中に足首を痛め、2件の整形外科を受診するが良くならず不安になり、触れてわかる鍼灸治療を受けて魅了され鍼灸師となる。鍼灸を受けたことがない人に鍼灸の魅力を広めるべく2006年6月8日大阪四ツ橋のビジネス街にてこころはり灸治療院を開院。鍼灸の入り口として美容の鍼を美顔鍼として考案。美容に鍼灸という珍しさから、多くの雑誌に取材を受け、鍼灸が初めてという人が多く訪れる。有志のドクターからなるがん患者さんを統合的にサポートするNPO法人eクリニックスタッフ鍼灸師。
【経歴】
国士館大学卒
日本拳法三段 インカレ優勝 個人東日本3位
神戸東洋医療学院卒
大藤内科・外科診療所勤務を経て
こころはり灸治療院を開院
はり師(国家資格)
きゅう師(国家資格)
あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師臨床実習指導者(厚生労働省認定)
東洋医療専門学校美顔鍼非常勤講師
eクリニックスタッフ鍼灸師